こんにちは。三度のメシより映画好き!シェフ聡27です。
今回は全世界で大ヒットした小説「ダ・ヴィンチ・コード」シリーズ4作目「インフェルノ」の出版秘話をもとにしたフランス映画『9人の翻訳家 囚われたベストセラー』です。
これは全世界待望の小説「デダリュス」三部作完結編の各国同時発売のために、フランスの田舎にある洋館に集められた9人の翻訳家の物語。 彼らは作品流出防止のために、翻訳している期間の他の仕事、SNS、電話も禁止され、地下シェルターに隔離されて翻訳をするをすることに。 監視カメラで管理され、さらには武装したガードマンもいる。 全ての内容を知ることができないように、原稿は1日二十ページ渡され翻訳していくという徹底ぶり。 そして翻訳家達の監視を取り仕切るのが、「デダリュス」の出版権を獲得した出版社のエリートビジネスマンでカリスマ社長、エリック・アングストローム。 きっちりキメた七三の髭面鷲鼻の渋い親父、エリックの語りからこの物語が始まります。 オープニングで燃え盛る部屋は、よく観ていると火が少しづつ消えていく逆回転の映像で元の部屋へ戻っていきます。 これから起こることを暗示させる演出です。音楽は数多くの楽曲を手がけ「音楽批評家大賞」など受賞している三宅純。この音楽がさらにワクワクさせるのです。
9人の翻訳家達は個性豊か。 オルガ・キュリレンコが演じるロシア語担当のカテリーナは、「デダリュス」に登場するヒロインのレベッカに感情移入していてちょっと病的。 イタリア語担当のダリオ・ファレッリはやや傲慢な態度の男。 他にデンマーク語担当の野心家エレーヌ、スペイン語は意志の弱いハビエル、ドイツ語はヒッピー風なイングリット。 中国語は真面目でコミュニケーション能力の高いチェン。ポルトガル語のパンク風なテルマ。 ギリシャ語の公務員でシニカルなコンスタンティノス。そして英語担当は脱力系でこの物語の中では最年少のアレックス・グッドマン。 本心では自身で小説を書きたい思っていたり、お金のためだったり、「デダリュス」の作者オスカル・ブラックに会いたいと思っている人など、 翻訳家達の事情もそれぞれだ。
そして地下で翻訳が進められる中、作品を流出させるという脅迫があり、表に出るはずのない「デダリュス」の内容を巡ってエリックと9人は翻弄されることに。 エリックの推理を軸にストーリーが展開し、この辺りの振り回されてる様子には笑ってしまいます。 どうやって犯人が事を起こし実行できたのか、最後まで全くわからないようになっていても、小出しで情報が語られています。一つ一つのセリフをしっかりと聞き、目を離さないでください。仕掛けられた多くの謎を解き、犯人を暴くことができるでしょうか。 しっかりとしたストーリーとスピード感のある展開、お洒落な音楽にワインに食事のシーンはさすがフランス映画です。 映画の中のセリフで「ページを開けば世界が溢れ出す。物語は全てを圧倒して私たちの心で生き続ける」には痺れました!
監督は『タイピスト!』でヒットを飛ばしたレジス・ロワンサル。 今宵ワインを片手にレジス・ロワンサルから至極のミステリーの挑戦を受けてみてはいかがでしょうか?
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